Christmas Rose
兵たちにより、金の椅子が用意された。
椅子の前に、アランは立った。
「・・・・・」
アランは瞳を閉じた。
ここで、認めて貰えなければこの椅子に座る資格はない・・。
パチパチパチ・・・
すると、集まった人々達の中から手を叩く音が聞こえた。
アリスは辺りを見渡すと、10歳くらいの兄弟だった。
アランに向けて笑顔で手を叩いている。
パチパチ・・・
すると、その兄弟につられあちこちから拍手が聞こえてきた。
パチパチパチ!!!!
大拍手と共に、声援が上がった。
アランはその光景に、笑みが零れた。
「アラン・・。これが国民の答えだそうだ。」
国王の言葉にアランは頷き椅子に腰かけた。
ソフィアもその光景に涙を流した。
スッ・・
するとその隣をシドが通り過ぎ、国民の前に姿を表した。
「・・初めまして。ギルティ国より参りました。シドと申します。」
シドは金の椅子に腰かけるアランに深々とお辞儀をした。
「・・我が国からもアステル国新国王就任にお祝いを申し上げます。そして、この場で直接言葉を述べることが出来ない、我妻アリスもとても喜んでいます。」
シドの言葉にソフィアは手を握りしめた。
シドとアランは握手を交わした。
アリスはそんな光景に、瞳が潤んだ。
よかった・・
本当に、よかった・・・・。