Christmas Rose
「…ところで、国王様は今日は?ずっと城を開けていて、お詫びがしたいのだけれど…」
「…それが、国王様も今は公務をお休みになっているんです。持病が良くなく、最近は手足の痺れも酷いようで…」
そんな…国王様が…
「…なら、尚更お見舞いに行かないと。。」
夕食を終えると、アリスはエドと共に国王の寝室へ向かった。
コンコン
中へ入ると、ベッドに横になり、お付きの者と話をしている国王の姿が。
「おお、アリス。よく来てくれた。」
「国王様…この度はご心配をお掛けしました…」
エドが花束を国王の側近ゼノへ手渡した。
「いや、アステルの話は聞いた。無事に新しい国王が就任して、私も安心したよ。」
国王は優しく微笑んだ。
本当に、太陽みたいに優しく、偉大な国王だ。
「…私も、そろそろこの座を降りてシドに王座を譲ろうと思っている。すでにゼノに準備はさせているんだ。」
王座をシドへ…
ギルティもまた、一つの時代が終わり新たな時代が始まろうとしているんだ…
「…王座を降りたら、君たちが訪れたあの離宮に移ろうと思う。アリス、シドの事を支えてやってくれ。どんな才能があろうと、決して一人では乗り越えることは出来ない。君の力がシドには必要じゃ。」
国王の言葉を胸に焼き付け、アリスは深く頷いた。