Christmas Rose
その日の夜、国王はシドを呼んだ。
正式に王座をシドへ譲るようだ。
話が済むと、部屋に戻って来た。
「…おかえりなさい。。」
シドはどこか浮かない顔をしている。
「…国王は退位し、王座を譲ると言われた。」
「そう…」
今の国王は幼くして王に即位し、数々の偉業を成し遂げてきた。
身分に拘らず、才能ある人材を見出して自ら大臣に推薦した。
そんな国王であり父の後を継ぐ事は、シドにとっては大きなプレッシャーであろう。
父のように…いや、父を越えなければ…
かつてはアリスも常に心に重くのしかかっていた。
私に出来ることは、何でもシドの力になろう。
「…明日、正式に戴冠式などの打ち合わせをするから、アリスも同席してくれ。」
「分かったわ。。」