Christmas Rose
翌朝、アリスとシドは王室で国王より正式に退位する事を告げられた。
「…戴冠式は、1ヶ月後。これよりはゼノが側近としてお前を支える。これで、安心して退位する事が出来るよ。頼んだぞ、ゼノ。」
「はい。国王様。」
ゼノはシドに深く頭を下げた。
まだ若いが、国王にその才能を買われ側近として公務に携わってきた。
王宮の女性たちからも人気は高い。
しかし、あまり表情は表に出さず、常に冷静沈着なゼノ。
「…では、一ヶ月後の戴冠式へ向けて段取りを始めさせて頂きます。」
シドが国王に就任するということは、アリスは王女になるのだ。
この国の女性で一番身分の高い地位。
…私も気持ちを引き締めなければ。。
「…無事にお前に王座を譲れる日を待ちわびていたよ。本当に月日が経つのは早いものだ。」
王は窓から外を眺めた。