Christmas Rose
リエルはそんなキースに抱きついた。
「・・キース様。嫌です。私、結婚なんてしたくない」
「リエル。」
キースは身体を離し、その金色の瞳でリエルを見つめた。
「国王もこの結婚を強く望んでいる・・。」
「キース様・・」
リエルの事を探してこんなところまで・・。
二人の姿を見てアリスの胸がきつく締め付けられるようだった。
「・・リエルが幸せなら、それでいい。」
キースは優しく微笑んだ。
「・・キース様と一緒になれないなら、幸せになんてなれません・・」
「こっちだ!!!」
すると背後から兵士達の声と灯りが近づいてきた。
「こっちへ!」
アリスは二人を木の陰に隠した。
そして灯りを持ち、兵士の声が聞こえる方へ歩いて行った。
「・・何事ですか。」
数人の兵士達が群がってきた。
「・・アリス様・・!今、城の外から侵入者が!」
「・・侵入者・。。こちらには誰も来ませんでした。」
リエルとキースは気の陰から息を殺した。
「・・そうですか。。おい!あっちを探せ!」
兵士達は反対方向へ走って行った。
「お一人では危険です。お部屋までお送りいたします。」
「エドが向こうで待っています。それより早く侵入者を。」
「・・・はっ!」
兵士が行ってしまうと、アリスはゆっくりと振り返った。
「アリス様・・・・」