Christmas Rose


リエルはそんなキースに抱きついた。


「・・キース様。嫌です。私、結婚なんてしたくない」


「リエル。」


キースは身体を離し、その金色の瞳でリエルを見つめた。


「国王もこの結婚を強く望んでいる・・。」


「キース様・・」


リエルの事を探してこんなところまで・・。

二人の姿を見てアリスの胸がきつく締め付けられるようだった。



「・・リエルが幸せなら、それでいい。」


キースは優しく微笑んだ。


「・・キース様と一緒になれないなら、幸せになんてなれません・・」



「こっちだ!!!」


すると背後から兵士達の声と灯りが近づいてきた。


「こっちへ!」


アリスは二人を木の陰に隠した。

そして灯りを持ち、兵士の声が聞こえる方へ歩いて行った。


「・・何事ですか。」



数人の兵士達が群がってきた。


「・・アリス様・・!今、城の外から侵入者が!」


「・・侵入者・。。こちらには誰も来ませんでした。」



リエルとキースは気の陰から息を殺した。


「・・そうですか。。おい!あっちを探せ!」


兵士達は反対方向へ走って行った。


「お一人では危険です。お部屋までお送りいたします。」


「エドが向こうで待っています。それより早く侵入者を。」



「・・・はっ!」


兵士が行ってしまうと、アリスはゆっくりと振り返った。


「アリス様・・・・」




< 133 / 190 >

この作品をシェア

pagetop