Christmas Rose

「…リエル様は母国に婚約者がいたとか。」

レイドの言葉にアリスは驚いた。

レイド様は知っていたんだ…


「…婚約者がいるのに他の国の男と結婚だなんて、辛い気持ちは僕にもよく分かります。」


よく分かる…?

レイドの言葉がどこか他人事ではないように聞こえた。

「…リエル様は知らない国に一人心細いんだと思います。私もそうでした…」

アリスの言葉に、レイドは優しく微笑んだ。

「そうですね。ありがとうございます。」


レイド様とシドは兄弟でも似ていない。

レイド様は穏やかで優しい人。

でも、どうしてだろう。。

人と関わることが苦手なのか

レイド様の前には壁を感じる…

決して他人に踏み込ませない領域がある。。



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