Christmas Rose
アリスの手を握ったまま歩いていくシドの背中をじっと見つめた。
王妃様がこの城へ戻って来た理由…
シドではなく、レイド様に王位を継がせるために…?
だとしたら急に王宮へ戻って来た理由も分かる。
そしてあんなに急にリエルとの結婚を決めた事にも納得がいく。。
「…悪かったな。いきなり連れ出してしまって…」
歩きながらシドが言った。
「いいの。それより遅かったね。心配したよ…」
すると、急にシドは立ち止まり振り返るとアリスを抱き寄せた。
「シド…?」
アリスを抱きしめる手に力が入った。
「…レイドは、王の子ではないかもしれない。」
…ドクンッ…
今、なんて……?
あまりにも衝撃的な一言にアリスの頭は混乱した。
そんな、王の子ではないなんて…そんな事があるのか。。
シドは身体を離すと、アリスをじっと見つめた。