Christmas Rose
その夜、王の快気祝いとシャーリーンの為の夜会が開かれた。
アリスはシド共に招待された人々に挨拶をしていった。
すると、少し遅れてレイドとその隣にはリエルの姿があった。
2人を見てアリスはホッと胸を撫で下ろした。
リンリンリン
すると、シャーリーンがスプーンでグラスを叩いた。
「…皆様、今夜はお越し頂き誠に有難うございます。おひさしぶりでございます。約10年ぶりにこの地へ帰って参りました。」
シャーリーンの挨拶に皆が拍手を送った。
「ではここで、国王よりお言葉を頂きます。」
車椅子に乗った王が皆の前に出た。
「暫く体調を崩していたが今はこの通り。だが、私もそろそろこの座を退く時が来たと思っている。一月後に戴冠式を行う。次期国王は、シド。」
その名前が王の口から出るとシドに一斉に視線が向けられた。
ギリ…
エレーナは扇子を強く握りしめシドを睨んだ。
「新たなこの国の繁栄に、乾杯」
皆んながグラスを交わし、シドは訪れた人々にお祝いの言葉を述べられた。