Christmas Rose

「…レイド、」


「すみませんでした兄上。失礼します。」


レイドが出て行くとアリスとシドは顔を見合わせた。


「わしが行こう。2人はレイドに着いていてあげなさい。」


アリスとシドはあちこちレイドの姿を探した。


「シド、見て、」


アリスが二階の窓から中庭の噴水に腰掛けるレイドを見つけた。


レイドの元へ向かうと、足音に気がつきこちらに顔を向けた。


「レイド、大丈夫か。」


「申し訳ありません。騒ぎばかり起こして…僕はリエルと共にこの城を去ろうと思います。」


「そんな…」


アリスが言うと、シドはレイドの肩を掴んだ。


「ここに居てくれ。お前に側に居て欲しい。」


「ですが…」


雲に隠れていた月が顔をのぞかせ、3人を照らした。


「リエルはお前が守るんだ。」


シドの言葉にレイドは頷いた。



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