Christmas Rose
翌日
まだ日が昇る前からアリスは起きてメイドたちに囲まれて準備に追われていた。
コルセットをしめてドレスに着替え、化粧を施し髪をアップにした。
首には豪華なネックレスと、耳に大きなダイヤのピアスをした。
そして、頭には代々受け継がれるティアラ。
全て準備が整い、戴冠式の部屋へ向かった。
大勢の貴族達に囲まれて、大司教の宣誓の後金色に装飾された戴冠式の椅子にシドがゆっくりと腰掛けた。
そして大司教がシドの頭に王冠を被せた。
アリスはその様子を少し離れた所に用意された豪華な椅子に座り手に胸を当てながら見守った。
シドはマントを翻し、臆する事なく皆の前に立ち新しく王となり国を治めることを静かに誓った。
これから新しい時代の幕開けとなるー
その後、王宮の外に出て大階段をアリスの手を取り二人でゆっくりと降りた。
王宮の門の外にはなんと昨日の夜から集まったという国民達が新しい王の即位に盛大な拍手を送った。
空砲が放たれ花火が上がった。
その夜はシドとアリスの部屋に貴族や友人が集まった。
たくさんの料理やデザートが並び、大きなケーキも用意されていた。
宴は朝まで続き、アリスもアデラやリエルと共に大いに楽しんだ。