Christmas Rose
その夜、夕食が終わりエドも部屋に戻ると、アリスはそーっと部屋のドアを開けて廊下に出た。
音を立てないように、そっと長い長い廊下を歩いた。
四日間もずっと部屋に閉じこもって、気がおかしくなりそうだ。
少しだけ、外の空気を吸いたい。
広い王宮内は迷子になってしまいそうだったが、どうにか中庭に出る事ができた。
庭の中央には小さな噴水があり、流れる水が月明かりに照らされてキラキラとしている。
中庭には、自分の国では見た事がない花がたくさん咲いていた。
「…綺麗。。」
そっと花に触れた時に、強い風が吹いた。
サアァァッー….
木々の木の葉が一斉に宙に舞った。
アリスは咄嗟に目を閉じた。
「…大丈夫か」
すると、背後から声が聞こえた。
ゆっくり目を開けると、一人男性が立っていた。
どうしよう、部屋を抜け出した事がバレてしまう……
「…だ、大丈夫です。すみません…」
アリスはなんとか顔を見られないようにと、俯いたままその場を去ろうとした。
パシッ…
すると、男性に腕を掴まれた。
「っ、」
顔を上げると、そこにはこの間湖の畔で出会った男性が立っていた。
「あ、あなたは…!」
「言っただろ?世界は狭いって。」
ど、どうして…!
アリスは驚いてその場に立ち尽くした。