Christmas Rose
「…こんにちわ。。」
明らかにぎこちない声のかけ方に自分でも恥ずかしくなった。
「まぁアリス様。お招きいただいて光栄ですわ。」
「素敵なドレス。どこの仕立て屋ですの??とてもお似合いですわ。」
甲高い声で話しかけてくる夫人達にアリスはどう返事をしたらいいのか分からなかった。
なんせ、今まで夫人達の相手などした事がなかったのだ。
アリスの周りにはあっという間に人が集まった。
すると、前方から一際派手なドレスに豪華な宝石を身につけた女性がこちらに向かって歩いてきた。
あの人、すごく豪華なドレス…
きっと身分の高い人なんだわ。。
「…こんにちわ。」
目の前までやって来た女性に、アリスは声をかけた。
「初めまして。マルヴィナと申します。」
マルヴィナと名乗る女性はそう言って微笑んだ。
「ア、アリス様!あちらで美しいハープを演奏する者は私の知り合いなんですのよ。さぁ行きましょう。」
別の夫人が強引にアリスの腕を引っ張った。
マルヴィナは何も言わずに、満足そうに扇子を煽った。