Christmas Rose

「…アリス様、それは?」

夕食の後、部屋で一冊の本を読んでいるアリスを見て、エドが問いかけた。

「この国の歴史について書かれた本よ。マグがくれたの。」


ーー私に、この国の歴史や政治について教えてくれませんか?ーー

アリスがそう言うと、マグは驚いたような顔をした。

この国の事は嫁ぐ前に少しだけ勉強した。
でもまだまだわからない事は多いし政治についてはさっぱりだ。

王太子妃として、少しはこの国の情勢も知っておきたいと思っていた。

マグなら詳しいだろうとアリスは考えたのだ。


「明日からね、マグに色々と勉強を教えてもらうことになったの。」

「はぁ、勉強も宜しいですが今夜こそはシド王子のお帰りをお待ちください。アリス様にはまずこの国の世継ぎを産んで頂くこという大事なお役目がございます。」

エドの言葉にアリスは本をめくる手を止めた。

この国の世継ぎを生む役目……

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