Christmas Rose
「…マルヴィナ様、まるで王妃のように日に日にドレスが派手になっていくわね。」
「また新しい侍女を雇ったそうよ。これもシド様にお気に入られたからよね。」
女性達の話の内容に、アリスは少し視線を落とした。
「…反論なさらないんですね。」
マグがお茶を淹れながら言った。
「…そんなこと。」
「…でも、こんなに噂が広まって、シド様は何故否定なさらないんでしょう。」
否定…?
アリスは顔を上げた。
「何故否定するの?本当のことじゃ…」
「いいえ。シド様はマルヴィナ様の元には訪れておりません。」
キッパリと断言するマグにアリスは首を傾げた。