Christmas Rose
翌朝、早くから門の前にはシドとアリスとマグ、それからメアリーの姿があった。
「…ったく世話しない奴だな。」
シドは欠伸をしながら言った。
ルイは荷物を馬車へ乗せると、シドの方へ向き直った。
「・・すまない。急にこんな我儘を言って。」
「本当だ。お前のいない穴は俺が埋めることになるんだぞ」
嫌身を言っているが、ルイが留学に出ることを大臣達に説得したのはシドだった。
「・・アリス様。どうか、彼女の事よろしくおねがいします」
アリスは静かに頷いた。
「・・・ルイ様・・」
ルイはメアリーの肩に手を当てた。
「・・待っています。」
メアリーは涙をこらえ笑顔で言った。
「・・・あの、ルイ様。。お願いが・・」
アリスは手をギュッと握りしめた。
「・・アステルに寄ると聞きました。あの、アステルの様子を手紙で教えて頂けないでしょうか」
自分からアステルの事を聞くわけにもいかないが、ずっと気になっていた・・・
ソフィアとアランが結婚した、今のアステルを・・・