Christmas Rose

「分かりました。」

ルイは快く引き受けてくれた。


馬車が動き出し、ルイがギルティを発った。

メアリーは涙を拭い、彼が無事に戻る事を祈った。


季節は、木の葉は落ち、少しだけ冷たい風が吹き始める秋の季節に移っていった。

ルイが去った後も城内はいつもと変わらず時が過ぎていった。

シドは仕事が少し増えたようだが、ルイから届く他国の情報は役に立っているようだ。

マルヴィナが追放処分になった話は誰にも広まることはなく、何故突然城を去ったのか王宮内では様々な噂が飛び交っていたが、最近では彼女の名前が出ることもなくなってきた。

メアリーとアリスはよく二人でお茶を飲んだり、マグに勉強を教えてもらったりしていた。


「…アリス様!ルイ様からお手紙が届きました!」

ルイから手紙が届くと、いつも嬉しそうに報告に来る。


ルイが留学に出て、半年が経とうとしていた。


「…アリス様!明日から、アステル国に入ると書いてあります。」


メアリーの言葉に、アリスはキュッと手を握りしめた。


アステル…



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