Christmas Rose
翌朝、あまり眠れぬままアリスはベッドから起きがった。


いつものように着替えをしようと、クローゼットを開けるとズラリと並ぶ華やかなドレス。


いつもの動きやすい洋服は一枚もなくなっていた。


「…おはようございます。アリス様。」


「これ…」


侍女のアリーはドレスを手に取るアリスを見てバツの悪そうな顔をした。


「あの…国王様のご命令で……」


アリスは手をギュッと握りしめた。


アリーによって、髪もドレスに合うように結われ、少しだけ化粧も施した。


鏡に映る自分を見て、ゾッとしてしまった。

ヒラヒラのレースに大きなリボン。

似合わないな……


ドレスなんて、今まで着てこなかった。


ギルティに嫁ぐと決まった今、女らしく振舞えという事か。


「…アリス、剣の練習に…」


ドアを勢いよく開け部屋に入ったレオは、ドレスに身を包んだアリスを見て一瞬固まっていた。



「…ど、どうしたんだよアリス?!その格好は…」
< 9 / 190 >

この作品をシェア

pagetop