Christmas Rose
「…アラン国王、反対ー!!!」
「他国の者にアステルを任せるなー!!」
「アリス様、万歳ー!!!」
王宮の門の前で集まった市民達から叫び続けられていた。
「……っ」
その光景にアリスは表情を歪めた。
「…静まれー!!!!」
レオが大声を上げた。
「…アリス様のお通りだ!」
その言葉に、市民達は一斉に振り返った。
「…アリス様だ…」「アリス様…」
市民達は驚き、道を開けた。
アリスはゆっくりと歩き出し、王宮へと入って行った。
この城を出るとき、もう二度とこの王宮へ足を踏み入れる事はないと思っていたのに。
こんな形で再び戻ってきてしまうなんて…
「…もっと門の前の兵士を増やしなさい!」
「…大変です!!」
ソフィアの声を遮るように、一人の側近が慌てて部屋に入って来た。
「…アリス様のお越しです!!」