ガーデン・クロニクル~ゼロ歳からの冒険譚~


「ラティア」

「あーう」

「あーんして」

「……ぶぅ」



目の前では金色っぽい人が私に食べ物を差し出している。

私は今、食事の気分じゃない。拒むけど、その人は諦めない。



「ラティア、あーん。ーー、ーーー?」


自分の最期や、17年間の短い人生を思い出してから、何度も寝たり起きたりを繰り返した。

何日間、何週間、などの時間感覚が無いから、どのくらい経っているのかは未だに分からない。


ぼやけていた視界はだいぶハッキリしてきて、体も前よりは動くようになってきた。

でも、自分で立ち上がることはできないから、寝たきりだ。



「ーーー、あーんして、あーん。ーーー、ラティアはーーー」



最近になって、金色の人が喋ってることがほんの少し理解できるようになってきてる。

前までは、耳に覚えのない音の羅列だったから何がしたいのか分からなかったけど、最近は少しマシだ。


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