ガーデン・クロニクル~ゼロ歳からの冒険譚~


前世で、保健の授業か何かで、肉体と精神が深いところで影響し合っているっていうのを習ったことがある。


本当にそうだ、その通りだ。


赤ん坊の体になってから、自分の精神年齢が体に適応したものになっている。

最近、なんでも自分でやりたくって仕方がない。ご飯を食べるのも、服を着替えるのも。



「あーあー、べたべたになってるよ」

「うぅん」

「ううんじゃないよ、なってるよ」



ダディーは私の顔を拭いて、それから、私の前髪をかき上げて額を撫でる。



「ラティア」

「だでぃー?」

「……ラティア」

「うーん?」

「……なんでもない」



ダディーはいつも、私の額を撫でて、こういう表情をする。

複雑で、どんな感情なのか読み取れないけど、少なくとも、負の感情が大半を占めているのだけは分かる。


一度だけ、額を撫でる時以外で、この表情をしてたことがある。



『だーでぃ』

『ん?』

『そと、でたい』



ドアを指差して私が言ったとき、ダディーはその表情――それも負の感情が圧倒的に多い――をしていた。



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