ガーデン・クロニクル~ゼロ歳からの冒険譚~
次に目が覚めたとき、喧騒は止んでいた。
布に包まれているのは同じだけど、暖かくて、心地がいい。
「ーーーーーー」
すぐ近くに、誰かいる。全体的に、金色っぽい。
「ーーー」
穏やかな声で、私に話しかけている、多分。
まだ視界がぼやけているから、周りの状況がよく分からない。
それに、頭がボーッとしていて、物事を考えるときに上手く働いてくれない。
まるで、脳味噌の一部が麻痺してるみたいだ。
「ーーー」
「あぁ、ああ」
口も喉も、全然動かない。声を出そうとしても、あーとかうーとかしかできないんだ。
「あぅ」
金色っぽい人が急に接近してきて、私との距離がゼロになる。
ぎゅーっと抱き締められているような感覚にびっくりして暴れると、布がはだけて、ころころと体が転がって全身に衝撃が走る。
「ー、ーーー!」
「ああぁう!ううぅん!」
「ーーーー。ーーーー、ー、ーー」
地面に叩きつけられる衝撃に驚いて、涙と声が止まらない。
そして、思い出した。
私は確かに、学校の屋上から飛び降りて、死んだ筈だということを。