年下わんこに要注意
部屋に着いてからも、彼は優しかった。
何か飲む?
お風呂入る?
といたせり尽くせりだったのだ。
どうしてこんなに構って貰えるのかは分からなかったが、イケメンに甘やかされてお姫様にでもなった気分だった。
お言葉に甘えてお風呂を借りてシャワーを浴びる。
緊張してきたような、していないような。
不思議なふわふわした感覚をどうする事も出来ずに浴室から出る。
シャワーの音が止んだからか、彼がドア越しに声をかけてきた。
「棚の引き出し2段目にパジャマ入ってるから好きに選んで着ていいからね。」
ありがとうと伝えると、またしても遠慮なくパジャマを借りる。
ブカブカだったが気にせずそのまま出ると彼は少しの間私を見つめた後、頭をよしよしと撫でてくる。
交代でシャワーを彼が浴びるとすぐに出てきた。
酔いが回って遠慮の欠片も無くなっている私は部屋にあるベッドに横になりウトウトしていた。
このまま眠ったら気持ちいいだろうなと思っていたところで、結菜さん。と呼ばれて少し覚醒する。
もう一度、結菜さん。と呼ばれた。
重たくなってきていた瞼を薄く開けたタイミングで、彼の唇が私の唇に触れるのが分かった。