年下わんこに要注意


優しいキス。

彼は黙ったままキスを続ける。


遊びのつもりなのだとしても、こんなキスは駄目だ。

まるで恋人同士なのではないかと錯覚してしまう。
大事にされているような気持ちになって、満たされていく。


ゆっくりと彼から借りたパジャマは脱がされた。

"結菜さん" が "結菜" "結菜ちゃん"と呼び方を変えていく。


私がヘトヘトになってもう勘弁して欲しいと思った頃には"ゆいちゃん"と何度も呼ばれながらぎゅっうっと抱きしめられた。



そうして今日の朝に至るのだが、朝までこんなにいたせり尽くせりとは思わなかった。

朝になってようやく大人の人間に戻った私は昨日の失態を思い出し恥ずかし過ぎて戸惑っている。


「あの、高木(タカギ)さん、私、昨日とんだご迷惑を……」

謝ろうとすると、彼はきょとんとした後、にっこり微笑む。


< 8 / 46 >

この作品をシェア

pagetop