年下わんこに要注意
笑顔もとてもイケメンさんですね……。
なんて褒めて拝みたくなるくらいの綺麗なスマイル。
少し寝癖がついたままの髪が可愛いなんて反則技だ。
しかも、いつもであれば綺麗に剃って整えられているのであろう顎髭も少し生えててそれがなんとも言えないエロさを醸し出している。
こやつ、なかなかやりおるな……。
とても年下とは思えない色気に、絶賛オバサン突入中の私には刺激が強すぎる。
「迷惑なんて思ってないよ。俺、ずっとゆいちゃんのこと狙ってたから。今すっげぇ幸せ。」
…………ん゛?
今、なんて……?
危うくトーストを喉に詰まらせそうになったではないか。
「…高木さん、正気…です…?」
ちゃんと答えれた私は本当に偉いと思う。
誰が見たって、オバサンが若い子誘って誑かしているとしか思えない組み合わせだ。
私には誑かすような技術や経験値など持ち合わせてはいないのだが……。
「勿論、正気。ゆいちゃんは俺じゃ不満?年下は興味ないとか言われたら傷つくな。」
そう言えばさっきから敬語もなく砕けた話し方をしている。
彼は一体どういうつもりなのだろう。
いくらなんでも遊びで30超えた女を捕まえるのは頂けない。
結菜は、目の前にいる高木 遥人の真意を探るように見つめた。