way of life
「きゃっ、えっ?あなた・・・」
梨乃を見て驚いた声をあげた母親は怯えたような表情を浮かべた。
そんな母に気づかないまま梨乃は洗面所に向かいそのまま家を出た。
走って学校に向かう梨乃。
移りゆく景色はいつものもの。
でも、いつもと違ったのは、いつもの場所でゆりねが待っていないこと。
「・・・あれ?」
携帯で時間を確認するといつもならもう待ち合わせている時間だ。
少し遅れてしまったからもう行ってしまったんだろうか。
今までそんなこと一度もなかったのに。
少し待っていた梨乃だったが、ようよう時間が間に合わなくなってしまったために学校に向かう。
校門をくぐり靴箱に向かう。
ゆりねの靴箱を覗くとそこには靴はなかった。
あるはずの上履きもない。
「どうして・・・?」