way of life


首をかしげながら梨乃は教室に向かおうと歩き出した。
その時、後ろから人が追い越していく。



「あ・・・、淳くん!」



それは、淳でいつもなら真っ先に見つけて声をかけてくれるのに。
そんな事を想いながら声をかけた。




「え?」




振り向いた淳は、梨乃を見て首をかしげた。




「あの、淳くん。ゆりね知らない?待ち合わせの場所に来てなくて、でも学校にも来ていないみたいなの」




梨乃は不安な思いを打ち明け淳を見た。
淳は戸惑ったように視線を動かす。




「あの、ゆりねって・・・誰だっけ?」

「え?」

「それから・・・、君は誰?」




淳の言葉に、息をのむ。
嘘をついているように見えない。
冗談を言っている様にも。




< 11 / 507 >

この作品をシェア

pagetop