way of life
「・・・おい!」
ふらつく身体を必死で動かし、勢いよく梨乃の部屋をあけたシド。
しかし、シドを迎えたのは梨乃ではなく、もぬけの殻となった部屋。
シドは、固く拳を握る。
「これは・・・」
ロイが床に落ちている本を拾う。
背表紙に、梨乃の字で名前が書かれている。
「私が差し上げた歴史書ですね。・・・ここに来てまで勉強していたのですか」
クロウは悲しげに表情を歪める。
「血・・・」
本を手に取るロイたちを通り過ぎシドがベッドに近づくと、白いシーツに赤い血が付着していることに気づいた。
そのことに、顔を青ざめる。
「少量ですから、命には別条はないと思われますが、どこかを怪我されたんでしょう」
「多分、この窓から侵入したんだろう。逃げ去ったのも、ここからか」
冷静に考察しているクロウとロイ。
そんな二人をシドはイライラしながら見ていた。