way of life
「道中で襲おうと思っていたけど、あの時先導していたのは騎士になりたての俺で。それがエスターン王国の一行だとは確信が持てなかったとか」
「しかし、馬車の中を覗けばすぐに・・・」
「プリンセスのお披露目の時に、この国の王は来てなかったんだろ?顔知らなかったんじゃねぇの?」
「ま、ってください。バカなことを!」
シドの言葉を聞き、クロウがその意図に気づき声を荒げた。
「おそらく、ヘルスター王国の奴らはすでにプリンセスの顔くらい把握してるはずだ。それくらいの事は簡単に調べ上げてるはずだ。だから、知らないなんてことはありえねぇ」
「あなたがそう言うなら、それはそうなんでしょうが・・・。ですが!」
「往生際がわりぃぞ、クロウ。そういうことくらい、普通にありうる話だろ」
「く、クロウさま・・・?」
苦渋の表情を浮かべるクロウにロイが声をかける。
「・・・指示を出したのは、ルベルト国王。この国は、エスターン王国を裏切った・・・」
クロウの言葉に、ロイは目を見張った。
国の裏切り。
悔しげに拳を握るクロウ。