way of life
「殴られたんですね・・・。こんなに腫れてしまって・・・・。申し訳ありません・・・。私のせいで」
「・・・ちが・・・違う・・・」
痛ましい梨乃の姿にクロウが頭を下げる。
そんなクロウに梨乃は震える声で首を横に振る。
「その者が実行犯ですか」
「・・・っ」
クロウの視線が倒れている男に向く。
梨乃がビクッと身体を震わせた。
梨乃の肩を支えていたクロウはそれに気づき、梨乃の肩を優しく撫でた。
「もう、大丈夫ですから。・・・仲間と思われる者もロイが確保しました。もう、なにも心配いりませんよ」
「・・・う、ん」
「とりあえず、馬車までお連れします。エスターンからの応援もすぐに来ると思うので少し様子を見てきますね。シド、プリンセスを安全な所にお連れしろ」
「ああ・・・」
話を振られたシドは、戸惑いながら答えると、剣についた血を拭い腰に戻す。
梨乃の側に寄り、そっと手を伸ばした。
「行こう・・・」
「っ、いやっ」
伸ばした手を思い切り梨乃が払う。
恐怖に震えるその顔で、怯えたようにシドを見上げていた。