way of life
「城の外には、人が住んでいるのよね?」
「ええ。城下では国民たちが暮らしております」
「いってみたいな・・・」
「そうですね。時間を作りましょう」
少しでも気分転換になるのなら。
クロウはそう思った。
そのまま梨乃は部屋に戻り、昼食もとらぬまま部屋に籠った。
梨乃を送り届けたクロウは、小さく息を吐く。
「クロウさまっ」
「・・・ああ、ミオにセレナ・・・」
メイド姿の二人が心配そうな表情を浮かべ立っていた。
黒髪を三つ編みにした幼い顔の少女がミオ。
長いウエーブがかった金髪の二人の中では年上の少女がセレナ。
「どうしましたか?」
「いえ、あの・・・。プリンセスの様子は・・・」
「心配してくださっているんですね。まだ、時間はかかるでしょうね」
おずおずと尋ねるミオにクロウは苦笑気味に答えた。
心配そうな視線が梨乃の部屋へと注がれた。