way of life


「城の外には、人が住んでいるのよね?」

「ええ。城下では国民たちが暮らしております」

「いってみたいな・・・」

「そうですね。時間を作りましょう」




少しでも気分転換になるのなら。
クロウはそう思った。

そのまま梨乃は部屋に戻り、昼食もとらぬまま部屋に籠った。


梨乃を送り届けたクロウは、小さく息を吐く。




「クロウさまっ」

「・・・ああ、ミオにセレナ・・・」




メイド姿の二人が心配そうな表情を浮かべ立っていた。
黒髪を三つ編みにした幼い顔の少女がミオ。
長いウエーブがかった金髪の二人の中では年上の少女がセレナ。




「どうしましたか?」

「いえ、あの・・・。プリンセスの様子は・・・」

「心配してくださっているんですね。まだ、時間はかかるでしょうね」





おずおずと尋ねるミオにクロウは苦笑気味に答えた。
心配そうな視線が梨乃の部屋へと注がれた。





< 27 / 507 >

この作品をシェア

pagetop