way of life


「プリンセスは、何色がお好きですかっ」




目の前で目を輝かせながら尋ねるメイドのミオに梨乃は戸惑いを隠せない。
キラキラと効果音が聞こえてきそうなほどの瞳。



「こら、ミオ。プリンセスがお困りです」

「え、あ、あの」

「すみません、プリンセス。プリンセスのドレスを仕立てることになっていますので、その参考にと思いまして」

「ドレス、ですか・・・」




この世界に来てから、梨乃はあまりドレスを着たがらずラフなワンピースを好んできていた。
自分がプリンセスという事実を受け入れられないことと、ドレス自体着慣れていないためだった。




「あの、私ドレスは・・・」

「ふだん着られる動きやすいものと公的な時のものをそれぞれ用意しましょうね!」

「プリンセスのご要望をできるだけ取り入れたいと思っていますので、何なりとおっしゃってください」

「あ、あの、ですから、私ドレスは」





必要ない。
そう言おうとした梨乃に、ミオとセレナは悲しげな表情に変る。





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