way of life
「その者たちが訴えているのは、攻撃を仕掛けてくるのを待つのではなく、こちらからも積極的に仕掛けていくべきだという事だ」
「そんな・・・」
「もちろん。そんなことはさせない。それでは、国をまとめた時に立てた誓いが意味のないものになってしまう」
平和な世をつくりたい。
それが唯一の願い。
「少しでも、国民の不安を失くしたいのだ」
「不安・・・」
「我が国のプリンセスと、この国を支える国の王子が婚姻を結ぶことにより、国の結びつきは確固たるものになる。そして、次期国王が決まるということは、それだけ未来が見え、人々に安心を与えることにもなるだろう」
「次期国王・・・」
「我がプリンセスの伴侶ということは、そういう事だ」
政略結婚。
その言葉が梨乃の頭によぎった。
国のため。
未来のため。
頭に浮かんだシドの顔に、胸が痛んだ。