way of life
「どうして―――」
どうしてシドの顔が浮かぶのだろう。
胸を抑えるように手を置き、ギュッと拳を握った。
「相手はもう、決まっている。わしの目で間違いないと決めた王子だから、安心しなさい」
「―――はい」
「シドの事で、いろいろと気持ちがざわついていると思うが、プリンセスとしての責務だ。いいね?」
「わかっています、国王様」
プリンセスとして生きると決めた。
この国で出会った親切な人たち、大切な人たちを護りたいと。
「五日後、王子をここに呼んでおる。そこで、対面することになるだろう。舞踏会にも来ていた王子だ。顔を合わせているはずだ」
「・・・はい」
誰であろうと、どうでもよかった。
どんなにいい人であっても。
どんなに誇らしい人であっても。
シドでないならば、誰でも一緒だ―――――。