way of life
国王が今回の婚約に向けての話をした後、二人で会場に入る。
会場は和やかな雰囲気で、二人を祝福している様だった。
梨乃はレノンと共に、各国の王や権力者たちに挨拶をしていく。
二人の様子に、誰もが口々にお似合いの二人だと囁いた。
パーティーは順調に進んでいた。
和やかな雰囲気を変えたのは、突然の訪問者が現れた瞬間だった。
「敵国ではあっても一国のプリンセスよ。今日はお祝いのために来たんだからそんな睨みつけないで下さる?」
突然、招待していないヘルスター王国のプリンセス、ユリネがやってきたのだ。
敵国とはいえ、エスターンとしては友好を結びたい相手。
突き返すことができず国王の許可の元中にいれたが、前科があるため厳戒態勢で会場に入ってくる。
ざわつく会場内に、挨拶をしていた梨乃とレノンも気づいた。
視線を向けた梨乃の目に飛び込んできたユリネの姿。
梨乃はビクッと身体を震わせた。
「梨乃さま?」
梨乃の肩に手を添えていたレノンはそれに気づき、梨乃に呼びかける。
梨乃は必死に平常を装いレノンを見上げた。