way of life
「ごきげんよう」
真っ直ぐに梨乃のもとにやってきたユリネ。
ユリネの側には、騎士姿のシドが付き添っていた。
「・・・っ」
その姿に気づくと梨乃は戸惑いに視線を揺らすが、シドは何の感情も見せず目を伏せたままユリネの後ろに立っていた。
視線も合わせてもらえない・・・。
「足をお運びいただき、ありがとうございます」
「シルスタ王国、王子レノン=カーリバルと申します。以後、お見知りおきを」
レノンは梨乃の肩を抱いたままそう言って優しく微笑んだ。
梨乃を落ち着かせるよう、ギュッと肩を抱きしめる。
「この度は、ご婚約おめでとうございます。ヘルスター王国も、祝福いたしますわ」
しっかりとした笑みを浮かべそう言ったユリネは、鋭い視線で梨乃を見るとくるりと向きを変え立ち去った。
シドもそんなユリネに付き歩いて行った。
梨乃は、少しホッと息を吐いた後、シドの後姿をじっと見つめた。