way of life
「馬車って、結構揺れるね」
「少し足場の悪い山道ですからね」
梨乃は、シルスタ王国に向かうため馬車に揺られていた。
途中の休憩所で外の空気を吸いながらクロウと話す梨乃。
「揺れで気分を悪くされたりはしていませんか?」
「うん。平気」
かねてから、お誘いを受けていたレノンの国へ時間ができたため公務の一環として向かっていた。
パーティーの日から、レノンには久しぶりに会うことになる。
「シルスタ王国って、どういう所だろう」
「水の都と言われるくらい、とても綺麗な場所ですよ。街には水路が廻られていて、それが水道水に使われているんです」
「へぇ!素敵。楽しみ」
「その水は飲料としてもとても優れていて、美味しいので、わざわざ他国から買い求める人も多いんです」
クロウから聞く話に、ワクワク心を躍らせる。
楽しそうな梨乃に、クロウは少しホッとしていた。