way of life
「私は、プリンセスとしてまだまだ未熟です。ですから、いろいろとご指導願います」
「・・・これまでの事、問題にする気はないのか」
「はい。もう、終わったことですので。この先、ヘルスター王国とエスターン王国が手を取り合える未来がくるのなら。なんの問題もありません」
梨乃はにっこりと微笑む。
ダークは、これまでの険しい表情を緩めその笑顔に応えるように小さく微笑んだ。
初めて見たその穏やかな表情に梨乃だけでなく隣に座っていたユリネも驚きを隠せなかった。
「・・・このノート、しばらく借りていてもいいだろうか」
「はい。次お会いするときにお返しいただければ」
「彼に。・・・カノンに、すまなかったと」
「必ず、伝えておきます」
梨乃は立ち上がり、一礼すると部屋を後にした。
毅然とした態度で挑んではいたが内心心臓がはちきれんばかりだった。
部屋を出た瞬間ホッとし、ようやく深呼吸をした。
「梨乃!」