way of life
呼び止められ、振り返るとユリネが少し躊躇いがちに立っている。
梨乃は足を止め身体をユリネに向きなおした。
「―――なんて言って謝ったらいいか、わからない。それに、すぐに、自分の気持ちを正すことも、正直難しいと思ってる・・・」
「・・・うん」
「でも。・・・私、頑張るから。何度でも謝って、償っていく・・・」
ユリネの瞳に浮かんだ涙。
「私のしたことは、きっと消えない。・・・もう、私の事なんて、嫌いだと思う。それでいい・・・でもいつか」
「いつか、ユリネの心が決まった時に、今度は笑って会おう」
落ちる涙はもう、悲しみの涙じゃない。
「言ったでしょ。これまでの事、問題にする気はないって。ユリネとまた、笑って話したいよ」
決して、すべてを消せるわけではない。
傷ついた胸は完全に癒えたわけではない。