way of life
「でも、私には、・・・シドの笑顔を引き出すことはできなかった」
「ユリネ・・・」
「カノン・・・が、言ってた。エスターンのプリンセスは違うって。私とは違う、って」
ユリネは自分の膝に置いた手に視線を落とす。
「私・・・。お父様に認められたくて。強くあろうとしてた。いろんなものを蹴落としてでも、強くなろうって・・・」
「・・・うん」
「でも、間違ってた。梨乃を知って、気づいたのに。私、認めたくなくて。私の方がずっとプリンセスとしてやってきてたのにって・・・悔しくて」
ポタポタと落ちていく雫。
梨乃は席を立ち、ユリネの側に寄るとそっとその手に手を重ねた。
「私だって、間違ってばかりだよ。初めの頃は逃げ出したりもしたんだよ。ユリネだって、やり方は間違ってたかもしれないけど。でもそれは、国王の力になりたかったからでしょう?大切なものを護りたかったからでしょう?」
「・・・っ」
「ユリネは、頑張りすぎたんだよね」
期待や、願いを一身に背負って。
プレッシャーに押しつぶされそうになりながら。