way of life
「この日のために、ずっと準備していたんだ。マナーを叩きこんで。各国の国王や貴族たちに面通しをして認めてもらって。エスターンの国民にも一人ひとりに説明をして回った」
「え・・・?どういう・・・」
「梨乃さまのために、すごく頑張ってたよ」
優しくレノンが笑うと、そっと梨乃の頭を撫でた。
そしてレノンが国民の方へと向き直ると大きく息を吸い紹介する。
「紹介します。シルスタ国第2王子シド=カーリバル。梨乃さまの婚約者となる男です」
国民がこれまでで一番の歓声を上げる。
梨乃は目を見開き、レノンを見た。
コツコツと階段を上る音が聞こえ、視線を移すと。
そこには、正装をしたシドの姿。
「しっかり話せよ」
「・・・わかってる」
レノンがシドに拡声機を受け渡す。
国民の前にシドが立った。