way of life
梨乃の脳裏に浮かぶ、ヘルスター王国へ行ってしまった時のシド。
「それでも、そんな俺を・・・っ、怒ったりせず、受け入れてくれた・・・。自分の事より俺のことを心配して・・・っ。泣いてくれる・・・そんな梨乃を、これからは、自分の手で自分の力で護りたいと思ったんだ」
繕う事を忘れ。
自分の言葉で告げた想い。
不恰好な言葉。
「レノンにチャンスをもらって。たくさんの人に支えてもらって今、こうしてここに立つことが出来ました。その人たちのためにも、私は、この命の限りこの国に尽くしていきます。シド=カーリバルとして、一から新しい人生を生きる決意をしてここに来ました」
シドは浮かんだ涙を乱暴に拭うと梨乃に向き合う。
ようやく交わされた瞳。
「梨乃。ずっと泣かせてばっかでごめん。でも、もう泣かせないから。これからは、俺がお前を護るから」
「シド・・・」
「だから、俺と結婚してください」
はっきりと告げた想い。
我慢できず溢れだした涙は梨乃の頬を濡らす。
でも、今までとは違う、幸せの涙だ。