way of life
「僕はもともとシルスタ国を継ぐはずだったんです。それが様々な状況の変化によりそのようになっただけで。僕には、僕の国があります。梨乃さまがエスターン王国を大事にされているように、僕も自分の国が大事なんです」
「レノンさま・・・」
「だから、僕にとっても、願ったりなんですよ。・・・まぁ、梨乃さまとの婚約がなくなったのは残念ですけど」
おちゃらけるようにそう言って笑う。
梨乃もようやくそれで笑みを浮かべた。
「このような、異例とも言える状況がまかり通ったのは、すべてプリンセス自身の功績です」
「え・・・?」
「プリンセスが、ヘルスター王国との関係を改善してくださらなければ、その様なこと決して許されなかったでしょう」
クロウが、優しい表情で話す。
それに、ロイやレノンたちも同意するように頷いた。
「ですから、堂々としてください。プリンセス。あなたは、幸せになるべきです」
断言するクロウの言葉に、梨乃は胸がいっぱいになる。