way of life


梨乃は嬉しそうに声をあげた。
しかし、それでもシドだけは、難しい表情で黙り込んでいたままだった。



「少しだけでも町が見て回れたらいいな」

「そうですね。少し見て回る分には問題ないと思いますから。着いたら、町を見てみますか?」

「うん。ね、シド。そうしよう?」




梨乃が明るい声で話しかけると、シドがハッとしたように目を見開く。



「あ、ああ。そうだな」



シドは取り繕うようにそう言って笑った。
梨乃は、にっこりと笑って頷く。


それからは、少しずつシドも会話に入るようになり、あっという間に目的地に着いた。




「わぁ!潮の匂いがする」

「海が近いですから」

「海は明日行ってもいいんだよね?」

「もちろんです」




< 450 / 507 >

この作品をシェア

pagetop