way of life
「わあ、綺麗!」
一面に広がるような花に埋め尽くされた空間。
色とりどりの花が咲き誇る。
アーケードをくぐるとその先には噴水とベンチ。
とても綺麗な空間だ。
「すごい・・・」
簡単の声を漏らしぐるっと辺りを見渡した。
ここだけ、どこか違う場所へとやってきたみたい。
「ありがとう!」
突然の声にハッと我に返る。
すると、花壇に蹲っていた人物がすっと立ち上がった。
「え・・・あ、こんにちは」
「こんにちは。プリンセス。初めまして。僕はカノン=ロドニーって言います。15歳で、この城の庭師をしているんだ」
「庭師・・・。そんな若いのにすごいね」
「僕は花が好きだから。花を触っているのが幸せなんだ」
にっこりと笑ったカノンは、太陽のような金色の短めの髪で、動きやすい汚れてもいいような恰好で手には軍手を付けていた。
城の中にいる騎士やクロウたちが来ているきっちりとした服装とは違う彼に、少し親近感を覚えた。