way of life
「この庭はカノンくんが手入れをしてるんだね」
「はい。任せてもらってます。もう一人僕の先輩がいるんですけど、その人は基本的に城内の花の手入れとここ以外の外の手入れで忙しいので」
「そうなんだ・・・。とっても綺麗」
梨乃がそう言うと、カノンはとても嬉しそうに笑った。
その笑顔がとても眩しく、可愛いと思った。
「プリンセスはどうしてここに?」
「暇だったから、お城の中をいろいろと探索しようと思って」
「そうなんですね!城内にもたくさんの花が咲いているので見て見てくださいね」
思い返せば、確かにところどころにさりげなく花が飾ってあったことを思い出す。
そういうのも全部、カノンのような花を愛している人が思いを込めて飾っていたものだったのだと気付いた。
幸せそうに話すカノンを見て、本当に花が好きなのだと思った。
「花は、私も好き。見ていると心が落ち着くもんね」
「はい!花は愛情を注げば注いだだけ返してくれます。花は、僕を愛してくれるから・・・」
「カノンくん・・・?」
「あっ、ごめんなさい。変な事言ってますね。でも、本当に花はいいものですよ」
少し陰った表情が気になりながらも、すぐに明るい表情に変わったカノンにそれ以上なにも言えず、そうだね、と笑った。