way of life
「あ、ロイ・・・」
その中で、見知った人物を見つけた。
後姿だったが、時折見える横顔に気づく。
彼もまた、誰かと手合せをしている様だった。
真っ直ぐで、騎士という仕事を誇りに思っている彼。
責任感が強すぎて、傷つけてしまった。
「ロイも、誰かと手合せを・・・え・・・?」
ロイの先にチラつく赤に気づいた。
鼓動が高まる。
まさか、そんなはず。
そんな思いの片隅で、もしかしたらという期待が膨らむ。
身体を動かし、必死でその姿を確認しようともがく。
そんな梨乃を視線の片隅でクロウは見ながら、気づかれないように微笑んだ。
「・・・っ、シド!」
ロイの剣にはじかれ、ザザザッと音を立てながら後ずさったのは、紛れもなくシドの姿だった。
はじかれたように声をあげた梨乃。
その声に反応するように手合せをやめロイが振り向いた。
そして軽く頭を下げた後、はじかれたまま膝をついたシドの腕を掴み引き上げる。
「ちょっ、放せ!」
そして腕を掴んだままズカズカと梨乃の方へと進んできた。