way of life
ロイは、他の騎士たちの指導に向かいクロウは他の仕事があるからと席を外し、のこされたのは梨乃とシドの二人。
「・・・シド」
戸惑いながら名前を呼ぶと、ぎろっと睨むような視線が向けられた。
「あ、あの」
「んだよ」
「どうして、騎士に・・・」
そんなことを聞いてもいいものなのか。
絶対なってくれないと思っていた。
そもそも、クロウがその話をしてくれていたことにも驚きだった。
クロウは、あんなにも反対していたのに。
「お前、放っとくとまた無茶苦茶しそうだから」
「え?」
「腕。もう、傷はいいのか」
顔を反らしぶっきら棒にそう言われ、一瞬首をかしげたがあの時の怪我の事だとすぐに気付き左腕を差し出した。
「傷、消えてるでしょう?もう、なんともないよ」
「そうか」
チラリとその腕を見ると再び視線を反らす。
梨乃からは、綺麗な赤しか見えなかった。