【短】大好きな君に伝えたいっ!
南くんの前に回って帰るのを阻止する。
じっと南くんを見つめ続ける。
顔を逸らして面倒くさそうな顔をする。
それでもいいの。
今南くんの瞳に私が初めて映ってるんだから。
「天野月姫ね。
憶えたから」
私を一瞬見てから「じゃあ」と言って私の横を抜けて歩き出す。
その直後、足に力が入らなくなってその場にへたり込む。
好きだ。
本当に大好きだ。
見てるだけでいいと思っていたけど、近づいたらこうやって視界に入ることができるんだ。
見てるだけの何倍も嬉しかった。