【短】大好きな君に伝えたいっ!
あ、元が茶色がかってるから黒染めしたら逆プリンになっちゃうな。
でも南くんのためなら何回でも染めて、髪痛まないようにも努力する。
チャンスを生かす、チャンスを生かす。
気合いを入れていると、なぜか視線を感じた。
そちらを見ると南くんがじっと私を見ている。
「あ、え?
どうなさいました?」
南くんに見られているから、緊張しすぎておかしくなる。
声がおかしくなりながらも、話しかける。
「別にタイプってだけで、それに近づけたからって好きになるわけじゃないから」
その一言で私の希望は打ち砕かれた。
そんな単純な人じゃないよね、南くんって人は……。