やさしい先輩の、意地悪な言葉
浮気をはっきり自白したその直後も、隆也は相変わらず俺様発言が続き。

『そんなわけで別れてほしいんだけど、遥香がどうしてもって言うなら、時々は会ってあげてもいいよ』


……ひどすぎる。私のことをなんだと思っているのか。


でも、一番ひどかったのは……



『ほんと⁉︎ ありがとう！』

と、隆也の発言に対して、安堵で泣きながら何度もお礼を言った、私の滑稽さだった。


この時の私は、隆也にフラれたショックより、今後二度と隆也に会えなくなったらどうしようという恐怖の方が大きかったから、『また会ってもいいよ』という言葉にひどく安心した。
もちろん、あくまで都合のいい女として……という意味を示しているのは、ちゃんと理解してた。


思い返せば……『都合のいい女』になってから、もう半年近くになる。

なんでこんなに隆也に依存しているのかと考えると、はっきりとはわからないけど、やっぱり、それまで異性の誰にも相手にしてもらえなかった自分と付き合ってくれた人だから。
異性はニガテだけど、それでもいつかはちゃんとした恋愛がしたいっていう気持ちはあったから。浮気が始まるまでは、ちゃんと好きでいてくれたと思うし……。


そして、『二年付き合った』というのが私の中では重要で。
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